こんばんは✨
韓流ドラマ×リーガルドラマ。
2重に苦手意識があって、きっと私は見ないだろうと思っていました。
まず、韓流ドラマ。
今まで韓流ドラマに対する印象は、記憶喪失(!)とか、恋人になりかけた二人が実は生き別れた兄妹だった(!!)とか、、、そんな波乱瀾万丈なストーリーがあってたまるかーいって展開がお腹いっぱい気味だったり。←え、今はちがう?
そして、、、なによりも長ーーーーい!(←)
推しグルの動画コンテンツも20分を超えると、えー長いな〜と思う私(こら)。
シャヲルの必修ドラマ「花郎」に至っては、イケメンパラダイスなのに一話で挫折したという体たらく(´-`).。oO(爆)。
続いて、リーガルドラマが苦手な理由。
前からの読者さんはご存知ですが、ryoyuはこの業界で仕事してます。だから、ドラマ見てるとストレスが溜まるんです。。。
日頃のストレスから解放されたくてドラマを見るのに
「現実にはこんなこと起きないからっっ!」
とツッコミ満載でwww
あるときは、法廷で弁護人が突然傍聴席を振り返って…「真犯人は・・・そうあなたです👆!」って法廷内がざわつく…
そんなことないからっっ!
あるときは、秘書的な相棒と一緒にアリバイの証拠探しで全国を渡り歩く…え…一件の事件だけにそんなに労力と時間を割くとか…
ないからっ!
なのですwww
このドラマが高評価なのは知ってたのですが、TLでの感想などをチラッと読む程度で、ドラマ本体の放送クール時には華麗にスルーしていました。
ところが。
同業者の間でも「面白いよ!」「騙されたと思って見てみ〜♪」という声が増えてきて。。。
え?トラブルや紛争に首突っ込む仕事でストレスフルな毎日送ってて、プライベートくらいは法律から離れたいよねーって言ってる人たちが「面白い」だって?
そして、確かに、主人公に自閉症スペクトラムの特性がある、という設定はとても気になっていました。
特性がいわゆる「障がい」と診断名がつくものかどうかは別にして、私たちにはみんなそれぞれ個性や特性があります。
誰でも凸凹はあって、その程度は違っても、まみんなそれぞれに凸凹に折り合いをつけたり、得意な部分で苦手な部分をカバーしながら成長し、世の中を生きていく。そこに焦点を当てた物語なのかなあ、と。。だんだん興味が湧いてきて…
先週末、ちょうど1時間くらいの空き時間ができたので、ちょっと覗いてみようかなあ、くらいの気持ちで第1話を観たのでした。
そして・・・。
法廷シーンを見て初めて泣いた😭(爆)。
なるほどね〜(´;Д;`)
これはハマるわ〜😮💨💚
ドラマの脚本は、弁護士などの法曹関係者にしっかり監修されていたと思われますし、リアリティがあったと感じました。
題材も良かった。
第一話では、70代の女性が、夫を殴り殺そうとしたという理由で殺人未遂罪で起訴されます。新人弁護士ウヨンウが初めて上司から任された刑事事件。
さあ、どういう弁護方針を立てる?
登場人物ひとりひとりの優しさ、弱さ、強さが、いろいろな角度から優しく温かく照らされていて ああ、この脚本家とプロデューサーさんは、きっと「ひとが好きなんだろうな。」と思いました。
演出についても、日本人の私が見ても違和感がありませんでした。
俳優さん達も見事な演技で、ひとへの温かい眼差しを表現してくれていました(´°̥̥̥̥̥̥̥̥ω°̥̥̥̥̥̥̥̥`)
特に、ここがリアルで良かった!と思えたのが、あの限られた時間で
★弁護方針のホンネとタテマエが現実に即して描かれていたこと
★被害者と加害者の関係性が丁寧に掘り下げられていたこと
でした。
ということで、お隣の国の同業者から見た雑感をメモしたいと思います。
(以下、ライブレポと同じく盛大なネタバレオンパレードですので、お楽しみの方はここであんにょん👋)
【ウヨンウの弁護方針をリアルに考察!】
上司の弁護士はウヨンウにこう指導します。
検察官は被告人の身柄を拘束せずに裁判すると言ってくれている、つまり、殺人未遂といっても、執行猶予が確実に取れる事件だ、と。
執行猶予というのは有罪判決ではあるけれども、すぐには実刑(刑務所に服役すること)にはならず、その執行(刑務所への収監)を猶予される、という意味。社会の中で一定期間、真面目に生活を送っていけば、最終的には刑務所に行かないで済む訳です。
ウヨンウは、被告人の女性と面談して、彼女の生活状況を聞き取ります。
その聞き取った内容を踏まえて、この事件は執行猶予ではなく、無罪を主張すべきであると言う方針を立てて、上司に掛け合います。
当然、上司はびっくり。
どうせ執行猶予になるんだから、無罪を主張して徹底抗戦するなんて無謀だと。介護に疲れた可哀想な妻だったということを法廷でアピールできれば充分なんだからと。
しかし、ウヨンウは引き下がりません。
被告人が有罪判決を受けてしまうと、取り返しのつかない不利益を彼女に負わせてしまう。それは前科というレッテルを貼られるとかそんな単純なことにはとどまらない、被告人の今後の生き方に大きく影響する、とても大切な視点でした。
日本でも(事件の内容によりますが)初犯で、かつ、すぐに社会復帰できる道筋が立っている被告人には執行猶予がつくことがほとんどです。
執行猶予ほぼ確実な事案というのは、弁護人にとっては取り扱いやすいのがホンネです。
MJさんの映画タイトルにもある99.9%の有罪率を誇る日本の刑事司法。
無罪主張は正真正銘、茨の道です。お腹を空かせた猛獣に素手で立ち向かうような感覚。
しかし、ウヨンウが立てた方針は、日本人から見ても、弁護人の使命そのものでした。
韓国の弁護士法がどのように定められてるか知らないのですが、日本では、基本的人権の擁護と社会正義の実現に努めるのが使命だとはっきりと法律で規定されています。
この事件のように無罪を主張すべき事案では、どんなに茨の道であろうと、無罪を主張すべきである。それが使命である。
タテマエは貫かなければならない。
ただの正義感とかではなく、綺麗事としてでもなく、被告人の生活と、その後の人生にフォーカスして、しっかりと伝えてくれました。
【被告人の夫は、とんでもないDV夫だったのか?】
被害者であった夫は、猜疑心が強く、妻の浮気をことあるごとに疑い、妻を怒鳴り、妻を支配してるようでした。
冒頭から典型的なDV夫のようなシーンが続きます。
私も、あーこの夫はダメだ、そりゃ殴り殺したくなるわな、と妻に同情しながら見てました。
でも、ドラマは、この2人を、単なるDV夫と、夫に苦しめられた可哀想な妻、という支配と反逆の構造にはしませんでした。
夫はアパートのオーナーで、夫婦は年金のほかに、アパートの賃料収入で生計を立てていました。
そして、夫は、妻の名前をアパートの名称につけていました。
事件によって負傷し入院していた夫を、被告人である妻は献身的に看病します。夫との生活に疲れ果てて事件を起こしてしまったのに、それでもなお、妻は夫に寄り添おうとしました。
そんな妻の姿をウヨンウはしっかりと見ていました。
夫婦にしか分からない、あの2人が長年積み重ねてきた時間と、2人の空気が、垣間見えました。
ウヨンウは、冒頭陳述(※)に先立ち、自分が自閉症スペクトラムであることを法廷で告白します。
※刑事裁判の最初の方で、弁護人と検察官がそれぞれ、これから審理が進められる上で、何を主張して立証しようとするのかをプレゼンする手続。日本にもあります。
そして、続けます。
皆さんからすると言動がぎこちないかもしれません。
しかし、法を愛し、被告人を尊重する心は他の弁護士と変わりません。
弁護人として被告人を助け、真実を明かすべく最善を尽くします。
このシーンで涙が溢れました(´°̥̥̥̥̥̥̥̥ω°̥̥̥̥̥̥̥̥`)
フィクションであっても、ウヨンウというひとりの女性弁護士をこの世に生み出してくれた、プロデューサー、脚本家、演出家、そして演じたパク・ウンビンさんに心から敬意を。
友情と恋のお話も優しいタッチで描かれているのでほんとにほんわかした気持ちになれます☺️
ステキなドラマに出会えました✨
スローペースになると思いますが、第二話以降も見ていく予定です。
また第2クールもあるとか👏 楽しみです🎵
✳︎画像お借りしました。